本物のコーヒーがあると聞いていた。
コーヒーが飲めない人も必ず飲めるコーヒーがある。
それが、ここ、熊本にある『喫茶 アロー』
それはそれは歴史のある外観です。
そうまで言われるお店なので、どんなお店かと思ってたんですが、、、
入り口もこのやじるしの看板のみです。
中に入ると、ニコッと笑う店主のおじいさんがいた。
注文もなく、入って席に着くなりコーヒーの準備が始まる。
現在79歳!!!
現役です!!!
朝から晩まで働きます☆
そのマシンガントークは凄まじいです。
「どこからきたと?」→「大阪です!」
この会話から続けて、永遠にしゃべります。
いや、、、関西人の僕も驚くほどのマシンガントークです。
マシンガントークは止むことなく、そのままコーヒーの作業も進んでいきます。
やはりこのクラスになるとネルドリップなんですね。
そして、店主の使うコーヒーの色、、、ほとんど焦がしてない焙煎。
珈琲=苦味
これは実は、商売のために作られたもの!
焦げたものに苦味がでるのは当然のことと店主は話す。
焦げたものには身体に良くない物質が必ず含まれる、だから僕の豆はいい豆なんだ。
そうですよ、、、この豆の色に引っかかってしまうと、、、
マシンガントークはさらに加熱します!
聞いていて非常に面白いので、聞いてしまうんです。
すると乗ってきて、また加熱するんです。
そして、、、店主が大きく息を吸って、、、
お湯の温度を湯気で確認するかのように、少し湯気の立ち方を見た瞬間、、、はじまりました!
ネルドリップ!
初めて目の前でみたかもしれん。
すると店主のマシンガントークはピタッとやんだ。
やんだどころか、なにも音がしないくらい緊張感のある空間になった。
ドリップする時間はジッと豆を見て、、、
その静かな間に、、、
なんだろうな、こちらもスイッチが入ります。
店を見渡したり、、、ドリップの音を聞いたり、、、
年季の入ったコーヒーカップ、、、
震災の時、シャンデリアは落ちて、いろんな骨董品は壊れてしまったが、、、
カップのセットだけはひとつも壊れなかったという。
宿命なんでしょうね。
相変わらず店主は一言も発することなく、ドリップをしている。
そして、ドリップが終わったら、、、
「ふぅ〜」
と大きな息をする。
まさに一杯入魂という言葉しか見当たらないほどだった。
「わたしが作るコーヒーには飲んでいただけるみなさまに魂を届けてる。このドリップの作業に少しのミスがあってはならない。それがわたしの作るコーヒーだ。どんなにいい道具を使っても、どんなにいいお水や豆を用意しても、魂がなければ意味がない。」
そう話す。
ドリップが終わると、何事もなかったかのようにマシンガントークは再開します(笑)
でもなんだろうな、、、目の前でプロの技を見るというのは、、、本当に刺激されますね。
そのテクニックということではなく、その姿勢に!
1杯500円のコーヒー。
色は見ての通り、琥珀色をしています。
味はどういえばいいかな、、、僕らが知ってるコーヒーとはまったく違う。
ただ、口の中に残るコーヒー独特の風味はある。
怒られるかもしれないけど、コーン茶に近い感じ。
あっさりしててすっきりしてて飲みやすい。
どうだろう、これをコーヒーと呼べる人がまだ今の時代に存在するのだろうか?
ただ、これが本当のコーヒーなんだとも思う。
意味がわかりますか?
売れるものと売りたいものは違うってことです。
やらなきゃいけないこととやりたいことは違うってことです。
極端ですが、そんなことまで感じます(笑)
「わたしはまだ50年はコーヒーを淹れ続けますよ。わたしのコーヒーを求めて全国・全世界から足を運んでくれる。その人たちのためにわたしはコーヒーを作り続けます。そして、たった一杯のコーヒーにわたしの全てを注いでいくつもりです」
今年で52年目のアロー!
店主はあと50年は続けますと。
コーヒーは嫌いだから飲めないって方、、、ぜひ行ってみて!
えっとね、、たぶん予想ですがこう言われますよ。
「いろいろ言わずにまずわたしのコーヒーを飲んでみて!まずかったら捨ててもいい!」
きっと、、、いや、間違いなくこう話すと思います(笑)
でも残念ながら、、、もしそこでコーヒーが飲める!って思ったとしてもこのコーヒーはここにしかありません。
誰かが同じ味を再現できるものではないと思います。
それがこの店主の魂だと。
なんか79歳のおじいちゃんがさ、、、めっちゃかっこいいねん!!!
やっぱりこれやねんな、、、きっと。
一杯入魂の琥珀色のコーヒー!
熊本に行った際は、行ってみてね!
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