びしょ濡れになった僕はホテルに向かわなかった。
ホテルに帰っても着替える服がない!
なので帰り道、セントラルマリーナに行くことにした。
ソンテウに乗って、セントラルマリーナまで。
ここでも僕が座った席の屋根だけが雨漏りしていた。。。
ポツンポツンとダイレクトに僕の首筋に水が落ちてくる。
こういう水は結構冷たい。
結局、体を前に倒して、背中で雫を受けることにした。
運がない日は、とことんダメなもんです。
到着したと同時に雨があがりました(笑)
スコールにもてあそばれたたつをさん。
雨が上がったのに、なんでこんな気持ちになるんだろうか、、、。
もうこれ以上濡れ無いというところまでくると人の思考回路は逆転するみたいだ。
どうせならもっと雨が降れ!
もう濡れてもいいや!
人の思考回路は不思議なものです。
雨があがったので、とりあえずスマホを取り出して写真だけは撮った。
ブログをやってなかったら絶対に取り出しはしない。
僕はブログが好きなんだなと再確認した瞬間だった。
ちなみに、この時の状態がこんな感じです。
水も滴るいい男です。。。
いや、違うか、、、極限に日本の恥をさらした男の姿です。
ここまできたら、着替えを買って、あとは帰るだけか!
そんなことを思ってましたが、地獄はここから僕に襲いかかりました。
店内に入りました。
このタイ、パタヤはヒーターなんて必要のない国。
大型ショッピングセンターは常にクーラーが強いくらいに効いてますよね。
店に入ったら「はぁ〜す〜ずぅ〜しぃ〜」ってあれです。
今の僕は違います、全身びちょぬれのおじさん、、、
関西弁でいうと、、、
ぼっとぼとのおっさん。。。
そして、空調で体がガタガタと震えてきます。
この温度差をみなさんもぜひ体験して欲しいです。
遊園地にある、マイナス120度の世界とかあるじゃないですか?
あんなもんちゃいますよ!
みなぎる寒さを経験し、周りの人は、あの人なんかあったんかな?という目線。
行ったことある人はわかると思いますが、、、
このセントラルマリーナ、、、BigCで服を買うつもりなんですが、、、
大型ショッピングセンターなので、ついた!と思ったら、、まだ半分!
建物をはさんでまた向こう側にもう一棟あるんです。
その端にBigCがあります。
自分に言い聞かせます。
たつを、、、もう少しだ!
もう少しでお前は着替えを手にすることができる!
頑張るんだ!
この棟を越える時、一度、外に出ることになるんです。
外の空気に触れても、もはや暖かいとも感じません。
ただ、また新しい棟に入る瞬間、、、冷気という見え無いモンスターは姿を変えて、、、
さらに強くなって僕を襲います。
もう体の震えは止まりません。
僕の目には冷気がこんな感じで襲ってきます。
モンスターですよ、、、モンスター!
そこのおまえ!
大げさな!って思ったでしょ?
いやいや、体験してみたらいいよ!
空調の恐ろしさをな!
水をポタポタと垂らしながら、やっと、、やっと到着した!!!
BigCだ!
ここまで辿り着いた僕には、ウルトラCをあげたい!
ここで貧乏人の本性が出現する。
迷いもなく向かった男性服のコーナー、、、
記憶も曖昧で、気が付いたら激安コーナーの前に立っていた!
貧乏人の嗅覚は本当に素晴らしい、研ぎ澄まされた本能だろう。
ALL 68 B.
そう書かれたワゴンコーナーの前でぼっとぼとのおっさんが服をあさってる。
そして、半パンとTシャツ、、さらにはサンダルを持ってレジへ。
リュックの中にしまい込んだビニール袋の中にある財布を必死に取り出して支払いを済ませる。
すぐさまトイレに行って、個室エリアに入って着替えようとする。
すると、着替えてる最中にドンドンとドアを叩かれる。
僕は万引きはしていない!!!
それでもドンドンと叩かれるので、ドアを開けると、、、スタッフらしき人が立っていた。
おそらく英語で「大丈夫ですか?」と。
なんで今っっ!!!
きっとびしょ濡れの男が震えながらトイレに入っていったので心配してくれたんだと思う。
しかしながら、心配してくれるタイミングはもっと早くにあったはず!
こんなに人の親切を恨んだことはなかった。
早く着替えさせてくれ!と思うことはなかった。
微笑みの国でこれ以上の微笑みを持って、「OK!大丈夫だぜ!」と全身で送ったのは人生でこれが初めてだったと思う!
タグを歯で切り、着替えを済ませ、、、
今まで来ていた服を買い物した袋に入れて、靴も履き替え、カバンに入れた。
服はこんなに素晴らしいんだ!
こんなにあったかいものなんだ!
そう思い鏡を見た自分のダサさに驚きを隠せなかった。
鏡の前の自分を見て、「ダッサッ」と言った。
68バーツ、、、すなわち、200円くらいの上下とサンダル。
合計が600円くらい。
かっこいいわけがない!
これを着こなせるのは、もはや速水もこみちくらいだろう!
トイレから出た瞬間、さっきまで見え無い的だった空調が、ほどよく味方になった。
本当に僕は調子のいい人間だとつくづく思う。
さっきまであれほど震えてたのに。。。
そして、せっかく来たしお土産でも買って帰ろうか!という余裕まで見せはじめた!
帰りにコーヒーでも飲みたいなぁ〜とチョコレートコーナーを見渡す。
謎のふりかけみたいなやつに疑問を抱く!
とにかく目に入るもの全てがあったかいものを欲している。
よく空腹時に買い物をするといらんものまで買ってしまうというが、、、
寒いときに見ると暖かいものを探してしまうみたいだ。
つばめのなんかも売ってたが、、、スルー!!!
ラーメンを大量に買いました。
あの日、食べたあのラーメンが忘れられない。
そんな思いから、ラーメンを何袋買ったんだろうか。。。
帰りにお腹が空いたので、セントラルマリーナを歩いてると、、
日本食らしき看板があった!
ん??
なんか思ってたのと違う、、、。
店内を覗いてみると、回転寿司だった。
全然、そそらなかった。。。
このあと、あったかいコーヒーを飲んでホテルまで帰った。
あの雨の中、店の外観は忘れずに撮ったのに、服を選ぶシーンや、、、
最後のコーヒーの場面を1枚も写真に撮っていない。
危機状態になると写真を撮る、、、
心が満たされると写真を撮り忘れる。。。
まだまだ自分のことをよくわかっていない。
そして、いつか本田圭佑に会った時に、「君にはまだのびしろがある!」と言ってもらえる気がした。
そんなこんなで、僕のラン島までの旅、、、。
一人で島巡りをし、勝手にスコールに合い、雨の中ひたすら走り、、、
最終、ブルブルと震え激安ワゴンから着替えをゲットしたがダサくなった。
その格好は、、、
ちなみに、、、
夜ご飯もこれで食べに行った。
今まで自分のことをどこか自信がないと思うことがよくあった。
みなさんもそんなことあるでしょ?
見た目がどうとか、性格がどうとか、、。
極限に達すると、思考回路は崩壊します。
そしてそれを乗り越えた瞬間、こう思うんです。
「もう何も怖くない!」
海外は僕に限りない自信をくれたのだった。
おしまい。